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久しぶりの再会は、ものすごく嬉しいことがあった時か、ひたすらに凹んでいる時だったりする。 彼がやって来た理由は、どうやら後者のほうらしい…。
どうりで良い顔をしている訳だ。 せんだって年始早々、友達が事務所へ遊びに来ました。 彼は3年前の卒業生で、現在は東京の設計事務所で働いています。 「20代の苦労は人生の質を決めてくれる。」 今の自分なら、そう振り返ることができる。 それは通過してしまった事象だから、あっさりと言い切れるけれど、 当時の自分はただただ暗いトンネルを進んでいる状態だった。 しかもナニカ得体の知れないドロドロした闇のようなものに追われている気分だった。 疲れた顔と逸らさない視線。彼もその洗礼を受けた様子でした。 はじめて実務に付いた者が必ず襲われる知識不足、技術不足。 疲労の蓄積はパフォーマンスを削り、ありえないミスを発生させる。 意識化できていても克服できていなかった弱点が露呈する。 先が見えなく経済的不安が表面化する。 設計事務所への就職は、ただ建築へ挑む入場券のようなものでしかなく、 周りは当然、入場券でやって来た人ばかり。 今まで特別だと思っていたものは当たり前の感覚で、それ以上の存在や目標の必要性に気づく。 そんな状態がどれだけ苦しいことか…。 情けない気持ちを抱えながら、親から助けてもらえること。 同じような状況にいるにもかかわらず、闘っている友がいること。 それでもあきらめない自分であれればこそ、周囲に感謝しながら生きていくことができる。 そんな話をしていました。 そしてそんな折れそうな時、私に会いに来てくれたこと、光栄です。 私にできることは、話を聞くこと。 そして昔のように、描く、書くこと。 高橋竹山のじょんがらを聴きながら、ギリヤーク尼崎の舞踏を観ながら、 生き抜くことの難しさと大切さについて語りました。 「つらくなったら、他の一流のものにふれてみること。」 これは栄養価の高い自己修復方法です。 苦しい時だからこそ、理解できる一流の凄みがあるはずです。 その日の飛行機で戻るらしく、来た時より笑顔になって彼は東京へ向かいました。 学生時代よりひきしまった顔つきになっています。 自分をさらけ出して、ぶつかってきてください。 ネジをはずせ!! 【コバヤシ】
by hitonochikara
| 2014-01-13 01:13
| ハダシ・デ・パレード
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