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人の力設計室の活動日記です。
by hitonochikara
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2014年 01月 29日 ( 1 )
同一縮尺に束ねる
私が意識していることの一つに「スケールごとにデザインする」があります。
1/100でできること。1/50でできること。1/20、1/5、1/1でできるデザインは異なります。これらが同時同場に存在することで空間に遠近が発生し、奥行のある風景が生まれてきます。
同一縮尺に束ねる_a0180552_10542194.jpg

せんだって、atelier cube 清原さんのオープンハウスにおじゃましてきました。

今回の住宅では、上述の奥行よりも「平明さ」が際立っています。入った時から感じていたこれは、憶測ではありますが、スケールの統一にあるように感じました。
本来スケールごとにデザインされるべき要素が約1/10スケールくらいのところで、束ねられて検討されています。
意匠も構造も設備、家具も等価に扱われ、同スケール上に存在しているようです。
結果、部分は30㎜角程度の材で構成され、その先は青いグレーに塗り込められて隠されています。(厳密には数ミリの納めは存在するが、同色で塗込めることで消却されている)

このようにスケールの遠近(消失点)が隠されることで、空間は紙一枚のピントの中に封される現象がおきています。
かつ下地という構成が存在しないため、最初から最後まで表層として現れる施工工程となり、気の置けない作業の連続であったことが、容易に想像できます。
ギリギリまで命を削ってピントをあわせつつ、世界を構築した住宅です。

そしてよくよく尋ねてみると、施主様がセルフビルドを楽しめる方のようで、それを前提とした空間構成のようです。
そう考えると、この「平明さ」は美しいフォーマットになります。
建築がわかりやすく解体され、グレースケールでまとめられた質感は背景となり、今後のバイタリティーあふれる生活を応援してくれることでしょう。

清原さんの優しさと執念が前面に押し出されたのに対して、構成力の主張(独善的欲望)を弱さをもって制した住宅でした。
清原さん、ありがとうございました。


【コバヤシ】
by hitonochikara | 2014-01-29 11:29 | コバヤシの日々 | Comments(0)