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人の力設計室の活動日記です。
by hitonochikara
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田根剛 未来の記憶 Archaeology of the Future
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昨年末までTOTOギャラリー・間東京オペラシティアートギャラリーで同時開催されていた田根剛さんの「未来の記憶 Archaeology of the Future」。IMS 8階 三菱アルティアムに会場を変え展覧会がスタート。先日展覧会初日に行われたトークイベントに行ってきました。

考古学的リサーチ。発掘。掘り起こす。建築を作るにあたって場所の記憶を辿る作業に時間と労力を費やす。言わば音楽家やスポーツマンが本番前にするトレーニングやウォーミングアップのようなものと仰っていて、身体の中にすっと入る考え方。展示第1室目はそのトレーニングを表す空間にしているという話。田根さんの頭の中に入るような感覚になるんだろうか。おもしろそう。
数日後、会場入り口でまずびっくり。これ、東京でもそうだったの?福岡だけ?

たったひとつの行為で解放されて座り込む私。ああ、平日の昼間で正解。貸切だもん。ずっとこの発掘現場見てられる。あ、人が来た。立たなきゃ。残念ーーー。
何のこと?って感じですよね。田根さんとアトリエの皆さんが数日福岡に泊まり込んで作られた今ここにしかないもの。是非、発掘現場にお出かけください。

■田根剛 未来の記憶 Archaeology of the Future
日時:2049年1月19日(土)~3月10日(日)
場所:三菱アルティアム IMS 8階
http://artium.jp/exhibition/2019/18-08-tane/
開館時間、休館日、入場料など詳細は上記アドレスにてご確認ください。


【カタオカ】

by hitonochikara | 2019-01-23 20:13 | カタオカの日々 | Comments(0)
詩人の絵

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あれはいつだったろうか。TVで聞いた言葉が胸に刺さってしまい、今日に至るまで突き刺さったままでいる。

「絵を描くことは生きることに値すると云ふ人は多いが、生きることは絵を描くことに価するか。」

それは画家、長谷川利行の言葉で、多分に漏れず前者だった私は後者の存在を知ってしまい、人生が少しずつ狂っていったのかもしれない。利行は私にとってずっと、画家と言うよりは詩人として頭の中に住んでいたわけだが、久留米市美術館に巡回してきた『長谷川利行展』へ訪れることでようやく画人の彼に出会うことができた。

やはり…それは印刷物で見ていた印象とは全く違うものであった。驚くことに、1巡目よりも2巡目、2巡目よりも3巡目と周回するごとに絵の印象が変わってゆく。生き急いだ彼が触れたであろう世界は光るように変化した。なかでも企画進行中に発見された《白い背景の人物》は圧巻で、幻視に吸込まれるはじめての体験だった。

利行の即興と漂泊の人生を「街がアトリエ」だったなどと、私は前向きに受け止めない。しかしあの生き様でなければ、あの線は、色は、こうも鮮やかで陽炎のように私の前に立ちはだからなかったであろう。


長谷川利行展
日時:2018年9月11日(火)~11月4日(日) 10:00~17:00
場所:久留米市美術館
料金:一般1000円 シニア700円 学生500円 小学生以下無料
※11月3日(土)の文化の日は入館無料


【コバヤシ】


by hitonochikara | 2018-10-24 10:24 | コバヤシの日々 | Comments(0)
デンマークの灯り展

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秋の日は釣瓶落とし、すっかり冷え込むようになりました。
先日は九州産業大学美術館で行われている「デンマークの灯り展」へ行ってきました。
人気の高いPHシリーズを皮切りに、ペンダントライト、フロアスタンド、デスクスタンドの名作が会場照明として展示されています。

中でも興味深かったのはポール・ヘニングセンのランプで、それらは人の目に優しく、グレア(眩しさ)を生じさせないよう研究を重ねており、住宅以外にもチボリ公園の外灯やテニスコート、野菜を育てる温室、さらに医療の現場でも使われていたそうです。
繊細な形状から漏れる優しい灯りは、使う人と場所が変わっても快適さと精度を落とすことはなく、彼の哲学と生きる姿勢が表れているようでした。

日が暮れる頃、こんな灯りに照らされる街って素敵です。

まだ観てないよという方は、10月21日(日)までやっていますので、大学の中の小さな美術館へ是非お越しください。


【カタオカ】

■デンマークの灯り展
日時:10月21日(日)まで 10:00~17:00(入館は16:30まで)
場所:九州産業大学美術館
料金:一般200円 大学生100円 高校生以下及び65歳以上は無料
詳細については、九州産業大学HP をご覧ください。

by hitonochikara | 2018-10-17 08:10 | カタオカの日々 | Comments(0)
日本の建築力を集めて

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先月、森美術館15周年記念展『建築の日本展』を見に行ってきました。
建築家や文化人がどのように日本建築を見つめ、作ってきたのか。写真、模型、書籍、図面、家具を通して、日本の建築を紐解く企画。

チャプターごとに壁へ掲げられた先人達の言葉は強く、会場はまるで1冊の「建築大辞典」のようで、読み進めるように歩を進めました。

大きな文字を読むことで強く意識したり、先見の明を今さら知ってため息が出たり。
時代を超えて愛される名立たる建築たち。注がれた時間と熱量は計り知れず、現状に留まらず挑戦し続けた姿勢や頭脳が形態として出てきているようにも思えました。

夏休みの楽しみにとお考えの皆様。写真撮影可能なスポットは何カ所かありますが、是非鉛筆とメモ用紙を持ってお出かけください。三角スケールを持って行くと100円割引もあるみたいですよ。

■六本木ヒルズ・森美術館15周年記念展『建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの』
日時:4月25日(水)~9月17日(月)まで 会期中無休 ※時間はWEBをご確認ください。
場所:東京都六本木ヒルズ森タワー53階


【カタオカ】


by hitonochikara | 2018-07-04 17:44 | カタオカの日々 | Comments(0)
「東京の台所」
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おもしろいですよ、と 居酒屋kouji の大将が奨めてくださった本。
調べてみると、時々見ていた 朝日新聞のコラム「東京の台所」をまとめた1冊で、早速本屋さんに行って購入した。

新しいもの、古いもの、誂えたものから既製品まで、様々な台所について使い手のエピソードとともにまとめられている。
その中で私がいいなぁと思う台所は、使い込まれて何か滲みでているような台所だ。
年季の入った鍋やお気に入りの調味料など良く使われるものが並んでいて、独特のルールに沿って整えられている。何より台所を好きで大事にしている様子が伝わってくるのがいい。その内、そこに立つ姿や生き方まで見えるような気もしてくる。

振り返ると、私もそんな台所で育ってきたように思う。
母の台所は、豪華な備えもなく特にかっこ良いわけでもないけれど毎日使って手入れして、とびきりの一品が生まれてくる場所だ。
私の生きる力は、ここから生まれてきたと思っている。

暑さで料理するのが億劫になってしまうけれど、たくさんの台所をお手本に、始まったばかりの今年の夏を頑張っていこう。


【カタオカ】
I様、暑くなってまいりました。真っ赤な梅干しが美味しくなっている頃でしょうか。第2段「男と女の台所」も出ていてるみたいですね。


by hitonochikara | 2017-07-19 22:30 | カタオカの日々 | Comments(0)
上杉満代の舞踏

偶然。
打合先で舞踏のちらしを手に取った。

偶然。
その日の夕方は空いていて、ダメもとで観覧したいとお願いに上がった。
やはり満席だったが、リハーサル中だった舞踏家は「観たいの?」と訊ねた。
優しい表情に潜む迫力。
気圧されながらも「はい!」とお願いした。

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その晩はじめて、上杉満代の舞を体験した。
立ち見という条件だったのに、椅子を用意してくださって。
ありがたく目の前で、彼女の骨と肉が動くさまを凝視した。

1㎜を、大切に動く。
比べても仕方ないが、私の日常は緩慢だった。

刹那。
銀の遺灰を足が払う。美しく灰が散った。
「動かない」からの「早い動き」は閃光で。
型ともとれるその動作は、それまでと異なり、抜刀のようだった。

躍って生きるとはどういうことなのだろう。
彼女は古いドレスで、滅ぶように舞っていた。



【コバヤシ】


by hitonochikara | 2017-05-03 17:03 | コバヤシの日々 | Comments(0)
Life is Fruity
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写真は、平日のミニシネマにできた行列。

その大半は私の父母くらいの年ごろで、やはりこの映画には彼らを引付ける魅力があるのだろう。

その映画は『人生フルーツ』。

建築家の津端修一(90)と妻英子さん(87)の生活ドキュメントで、庭で70種類の野菜と50種類の果実をつくる四季を追っている。一見すると田舎の老夫婦にありがちな農耕生活のようだが、彼らはより計画的(建築家らしく)で、野菜や訪問者と誠実に対話をしていた。

さながらそれは理想的な余生のよう。けれども、私には津端さんがまだ建築家として闘っているように見えてしまう。なぜなら、経済合理主義の団地の片隅で「各住宅が緑のストックを担えば、里山と同じ環境が再構築できる」という持論の実践が、この自邸を囲む庭と雑木を育んでいるからだ。


だが、やはりというか周辺の住宅に同様の環境はあまり見られない。それが彼の戦況であって、自らが楽しみながら暮らすことで、その環境と生きる素晴らしさを訴えているようだった。


津端さんの闘いはまだ終わっていない。この映画や彼の著書を読んだ人達がそのバトンを受け継ぐ以上、闘いはつづいてる。



【コバヤシ】


by hitonochikara | 2017-03-15 03:15 | コバヤシの日々 | Comments(0)
SUPER FOLKSONG
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このアルバムを知ったのは私が大学生だったころ。
矢野顕子という名前とピアノを弾きながら歌う人ということくらいしか知らなかったけれど、友人が教えてくれて、私のお気に入りのCDの一枚になった。
このアルバムが録音された時の様子を記録した映画が年明けに上映されることを知り、昨年から楽しみにしていた。

ピアノが上手く弾けなかったり歌詞を間違えたりすると演奏をやめて、始めから何度も何度も納得するまで繰り返す。時折聞こえる鍵盤を叩く指の音。張りつめていくその場の空気。
あっこちゃん、頑張って。
私は、録音されている様子を今傍で見ているような気持ちで引き込まれていた。
録音し終わった後は、自身の耳で厳しく確認する。眉間に力が入った苦しそうな表情。
ほんの少し前に弾いた、彼女にしか分からない音なのだろう。祈るように音を確かめる彼女を見ていて涙が出てしまった。

どのように録音されたのか、深く知ろうとしないまま20数年聴いてきたけれど、このアルバムが私にとって以前よりもずっと大事な一枚になった。
社会に出る前の卒業設計でもがき迎えた朝も、時折明るくなるまでエスキスする今も、変わらず私を励ましてくれている。


【カタオカ】
by hitonochikara | 2017-02-01 22:44 | カタオカの日々 | Comments(0)
祝・アンコール上映 『誰も知らない建築のはなし』
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嬉しいことに8/1(土)~8/7(金) の一週間、KBCシネマにて『だれも知らない建築のはなし』のアンコール上映が決定しました。

この映画は、5人の建築家と3人の評論家に対して同じ質問を投げかけ、それぞれが忌憚なく解答してゆく、というシンプルなドキュメンタリーです。まるで討論をしているかのような編集が効いており、テンポ良く1970年から現在に至る建築の変遷を回想しています。

ハダパレでは「近代建築乙女(通称キンオト)」という近代から現代の建築史を学ぶ活動をしているのですが、現在に近づけば近づくほど歴史的な解説は難しく苦心してきました。そういう意味でこの映画は、歴史化されていない現代建築のおおまかな流れが整理されています。当事者の独白と淡々とスライドされる建築を見ていると理解できたような、妙な高揚感があって…難しい内容ではありますが、たくさんのヒントを得ることができました。

面白そう!と興味の沸いた方、見逃しちまった!というマニアの方、アンコール上映へぜひ行ってみてください。

■『誰も知らない建築のはなし』
日時:8/2(日)~8/7(金) ①15:35~ ②21:10~
場所:KBCシネマ


【コバヤシ】
by hitonochikara | 2015-07-29 07:29 | コバヤシの日々 | Comments(0)
アトリエワンの生み出すもの
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まだ肌寒かった4月、広島現代美術館にアトリエワンの展示を見に行ってきました。社会や人との繋がり方や、生活のプログラムから建ちあがる建築に強く惹かれます。

美術館に入るとすぐ、「ホワイトリムジン屋台」が迎えてくれました。
こんなの道をひっぱれるのか!?
笑っちゃうような長さ(10mもある屋台なんです!)と、ぐっと高さを抑えた低い屋根。
人体寸法を基準にしていて気持ちいい。
お客さんもサービスする人も、どちらもステージの主役になって盛り上がりそう~!
この屋台の他にも、様々な場所で実際に使われたものが、DVDで使った様子と一緒に展示されていました。

展示しているものは、どれもやってみたくなるものばかり。
中でも、アトリエワンが設計計画を手掛けた場所を中心とするパブリックスペースを、大きなテーブルの上で複数の人が行うドローイング「パブリック・ドローイング」は圧巻。
ドローイングした人の熱や息遣いが染み付いたようなドローイングは、とても丁寧で愛嬌があって。そこにあるものを受け入れながらその周辺を巻き込み、話し声や風、新たな動きを生み出す力を見せ付けているようにも見えました。

もっと深めよう。とことん深めていこう。


【カタオカ】
by hitonochikara | 2014-06-17 07:40 | カタオカの日々 | Comments(0)